2009年8月29日土曜日

バイアスがかかっていないか。

 バイアスという言葉があります。

 「偏り」というような意味で、「確証バイアス」の事を指していると理解しています。

 確証バイアス(かくしょうバイアス)とは社会心理学における用語で、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという現象である。 例えばグループに一人だけAという女性がいた場合(他は全員男性)、Aが様々な行動を示していたにもかかわらず、自分(男性)が持つ女性への固定観念に合致する行動だけを特別に認識して、「やはり女性は○○である」という結論を導くといった行為を指す。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ラ・バルカグループの夏目さんのブログ(http://blog.livedoor.jp/labarca3120/)に、メディアは結論を決めて取材をするという内容の事が書いてあった。
 内容は自立支援法について、選挙前のタイミングではよくこの手の取材はありますし、私も以前に受けた事があります。
 新聞社にもよると思いますが、夏目さんが書いていたように、「【自立支援法】=【受益者負担】【1割負担】=そこが問題点!」という記事にしたが為の言葉しか拾ってくれず、言いたい事はほとんど伝わらないというか聞いてもらえません。
 私たちは、特に支持政党を持たない組織ですので、どこかや、誰かを擁護するつもりはありませんが、自立支援法があったから!-factoryは生まれました。
 自立支援法が出来る前は社会福祉法人格を持つ法人でしか、認可事業は行えませんでした。又、社会福祉法人格は一定の資産基準があり、ハードルの高い法人格です。
 しかし、自立支援法以降は、法人格を問わず、認可事業が出来るようになりました。
 結果、30歳前後の若い理事長、施設長、代表の組織の認可事業所が全国で生まれ、自由な発想で福祉の前進を担っている施設が出来てきました。
 確かに自立支援法は悪い部分もありますが、良い部分もあります。
 ですので一点に絞って議論の出来るものでは無いと思います。
 そして僕もバイアスがかかっていないか。
 今一度見つめ直したいと思います。
 そして夏目さんと再会できる時が訪れました。
 10月の3日、4日に財団法人たんぽぽの家が主催する「福祉を変えるアート化セミナー」に実践報告として、一緒の壇上に立たせて頂きます。
 嬉しいなぁ。
 タリーズの話も聞きたいし、色々聞きたい。
 楽しみです。
福祉をかえる「アート化」セミナー2009 10/3-4
~プロダクトアウトからマーケットインへ~

2009年8月11日火曜日

社会起業??


 先日「社会起業支援サミット京都2009」にて、!-styleの事業のプレゼンテーションをさせて頂きました。
 最近は月1回程のペースで、プレゼンテーションのお声掛けを頂き、させて頂いております。多くの方に!-styleを知って頂く機会になり、様々なご意見を頂けるので、とても嬉しい事です。

 ただ私たちは、その場のテーマについてお話をさせて頂いているのでは無く、常に、!-styleが何をしていて、何を目指しているのかというお話で、今回の社会起業についてだったり、障がい者支援だったりとイベントのテーマについて私たちからお話をするという事はありません。

 最近お声掛け頂くテーマが「社会起業」というのが多くなってきましたが、正直な所、社会起業についてはよく分かっていません(笑)

Wikipediaによると
「社会起業家(しゃかいきぎょうか)は、社会変革(英:Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。」
 という事らしいのですが、私たちがしている事業がそれに当てはまるかどうか。そして、そのジャンルに入れられる事に私自身が少々違和感があり、疲れていた時でした。ですので、「社会起業支援サミット京都2009」のオファーを頂いた時も、半分ぐらいお断りするつもりで実行委員の学生の方とお会いしたのです。

 打ち合わせの時「僕は正直社会起業というものが分からないし、そう呼ばれる事に違和感を感じ始めているんです」と言うと、学生の方のお1人が「実は僕も数か月前まで、社会起業なんて言葉を知らなかった、ただボランティアをする学生はすごく多いんです。ただ就職となると4年間してきたボランティアと全然違う仕事を選ぶ、今までボランティアとしてしか出来なかった事が、ビジネスになる可能性を伝えたいんです」

 今まで社会起業について話をしてきた中で、一番衝撃的で、なるほどと思えた言葉でした。

 彼が言った事が社会起業の概念に当てはまるかどうか分からないけど、彼の言葉にはすごく共感出来、少し救われた気分にもなりました。彼の言葉でこれからも、イベントのテーマが社会起業であっても、とにかく私たちがしている事業についてのプレゼンテーションをしようと思えました。

 本当にありがとう。

 最近の若い人って本当に色々な事を考え、誰かの為になりたい、誰かに喜んで欲しいと思っている。

 僕が20歳ぐらいの時を振り返ると、自分が楽しい事しか興味がありませんでした。彼らをみていると本当に反省です。

 具体的に何かが分かって無くても「社会起業家」になりたいと思う気持ちは僕は良いと思います。

 社会起業家についての概念はまだ日本では定着がしきって無くて「それは社会起業家では無い」「日本の理解は間違っている」「日本においてはこの考え方の方がフィットしている」と様々な論議が行われており、「社会起業家とはなろうと思うもでは無く、結果そう呼ばれるものだ」という考え方が主流なようですが、だからといって、「社会起業家になりたい」と思う気持ちは否定されるものでは無いと思います。

 「社会起業家」になりたいと思いながら就職をし、色々な事をし、その中で自分が問題だと思う事を発見し、ビジネスとちゃんとリンクさせながら問題解決をすべく起業する。

  まず自分が社会の中で食べれるだけの技と芸を身に付けていれば、そんな若い人が増える事は決して悪い事では無いと思うのです。

 社会起業については全くの素人ですが、社会起業家になりたいという若い人は応援したい気持ちになります。
 自分より若い人で凄いなぁと思える人に出会える事って幸運だと思います。何をするのか見ているだけでもいいと思いますし、協力を要請されれば、惜しみなく協力すれば良いと思います。きっと新しい事、自分が忘れていた事、そんな事に気づかせてくれるはずです。

 若さを青さで片付けると致命傷となるのは僕らオッサンです。

 日本はまだまだ捨てたもんじゃありません。

 社会起業支援サミット京都2009の実行委員の皆様本当にお疲れ様でした。そしてありがとう。