2009年5月24日日曜日

愛知出張vol.1




先日愛知へ出張へ行きました。

!-styleが今年度日本財団様より助成を頂いた「施設間連携・企業連携による障害者就労支援活動の活性化プロジェクトの実施」を進める為、先駆的な取り組みをしておられる施設の見学と、お話をお伺いさせて頂きました。
1件目は「社会福祉法人豊生ら・ばるか」様

お忙しい中、代表の夏目さん、株式会社ライフリベット代表取締役の山本さんにお時間を頂き、各事業所を案内して頂きました。

とにかく1つ1つの仕事が、内容も、取組方も丁寧で、その業種の当たり前のクオリティーを、当たり前にクリアされていて、プロの職場としての空気が流れていました。

夏目さんに、初めてお会いしたのは、先月に行われた日本財団主催の「障害者就労施設支援ネットワーク会議」で、プレゼンテーションを行われた時です。

プレゼンテーションの中で、信州大学病院内に、「タリーズ信大病院店」をオープンするとお話をされていたのが、とても強烈に印象に残っていました。タリーズコーヒーはシアトル系コーヒー店と呼ばれるグループに入ると思いますが、僕の中では大きく異なるお店で、ターゲット層、コーヒーの味、メニュー展開、どれをとっても数段上のクラスで事業展開をされていて、単にコーヒー店では無く、イタリアンバールのようなお店です。

会長は最近の著書「仕事は5年でやめなさい」で有名な松田 公太さんです。

きっと夏目さんは、単にチェーン展開のシアトル系コーヒー店とゆう事では無く、思い入れがあって、タリーズコーヒーをオープンされるのだろうと思い、とても興味が湧きました。

見学させて頂いた日、昼食をご馳走になりながら、夏目さんに、タリーズへの思い、障がいのある人の仕事についての思い、これからの事業への思いをお伺いできました。

やはりどれも一つ一つに強い思いを持っておられ、とても感動しました。

きっと夏目さんは、クールなビジネスマンに見られてしまう事が多いのでしょうが、私の印象は、とても真っ直ぐで、純粋で、作り上げる事が出来る人。ビジネスの側面は本当に夏目さんの1面でしか無いと思いました。
夏目さんのように「0」から「1」を作り上げれる人は本当に少ないです。作り上げた「1」に文句を言う人、「1」を勝手に持って行って「1.5」ぐらいに見せかけて威張っている人はたくさんいますが......。

こんな人が福祉の業界に居てくれるという事は本当に大きな勇気になります。
私の仕事についても大きく考えさせて頂ける時間でした。
夏目さん、山本さん、ら・ばるかの皆さん本当にありがとうございました。

一緒に作り上げましょう。

2009年5月18日月曜日

「伝える」という事。


先日、京都大学公共政策大学院の「ケーススタディ NPOの理念と活動分析」という講義にて、!-styleの取り組みをお話させて頂きました。

今年に入ってから、講演等のお話や、!-factoryのご見学の申し込みを多く頂いております。

どの講演や、見学でも話をする内容は、「!-styleが何を目指して、何をしているのか」という1点ですが、元々人に話をして伝えるという事が苦手な私は、毎回難しいなぁと反省しながら帰ります。

聞き手というのは様々な、状況の方で、福祉を少しでも知っている人から、障害者自立支援法って何?と思われている方までおられます。

その中で、私たちに対して、少しでも興味を持って頂きたいと思えば、私の伝え方をもっと上手くしなければいけないと思います。

私個人の事であれば、多少どう思われてもいいのですが(笑)!-styleの代表として話をするという事は、!-factoryに来ている障がいのあるクルーや、スタッフの“代わり”に話をしている事ですので、責任は大きいです。

来月にも京都でお話をさせて頂く機会があります。

つたない話ですが、!-styleを皆様にクルーやスタッフの代わりにお伝えしたいと思っております。
お時間を頂けると幸いです。

近畿ソーシャルビジネス・ネットワーキングにて
「日本理化学工業株式会社 会長 大山 泰弘 氏と!-style 統括マネージャー吉野 智和との対談」
2009年6月27日(土)13:30~17:00(開場は13:00)
京都リサーチパーク サイエンスホール
参加費 無 料
申込先:特定非営利活動法人 大阪NPOセンター
〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20 大阪NPOプラザ 201号
TEL 06-6460-0268 FAX 06-6460-0269
E-mail info@osakanpo-center.com

2009年5月13日水曜日

呼び名。

!-styleでは、様々な呼び名に、いちいちこだわり、考えています。

よく、色々な人に聞かれるのが、!-factoryで働く、障がいのある利用者に対して、crew(クルー)と呼ぶ事です。
これは、船のクルー(乗組員)のように、それぞれのクルーが、それぞれの得意な部分を担当し、!-factoryという一隻の船を動かしていると考えからです。それぞれに違う事をしていても、全ての人が必要です。

又、!-factoryでこだわっているのが、team(チーム)という呼び方。
簡単に言うと!-factoryの中の部署ですが、一般的に障がいのある人が働く作業所では、作業班や、~グループと呼ばれています。

では何故、私たちはteam(チーム)と呼ぶのかという事ですが、単に集団では無いという意思表示です。

目的を達成するための、team(チーム)であり、それぞれの役割、ポジションがあり、協力をし、時には意見をぶつけるのが、team(チーム)でああると考えています。

「たかだか」かもしれませんし、「いちいち」だと思いますが、呼び名の一つからこだわる事で、その場にいる人の意識は変わると思っています。

「いい組織」とは、「いい人」がいる組織だと考えています。
ですので、人の意識が変わるという事はとても大きな事で、極端な話、それ以外は必要無いのかもしれません。

2009年5月5日火曜日

!-style的デザイン名品vol.2




前回、ご紹介したのは、プロダクトでしたので、今回はグラフィックをご紹介します。


!-factoryには、ポスター等のグラフィックが沢山ありますが、一番上の、映画「ロッカーズ」のポスターが一番高価です。


ロッカーズ(Rockers)は、1978年のジャマイカの映画で、リロイ・ホースマウス・ウォレス、バーニング・スピア、グレゴリー・アイザックス、ビッグ・ユース、ジェイコブ・ミラーなど、何人もの有名なレゲエアーティストが出演していました。


このポスターは公開当時のポスターで、駅等に張られていた特大サイズのものらしいですが、ロッカーズのポスターで、このデザインのものは見た事が無いので、それが事実かどうかもわかりません。
額装していない状態では、さすがにヴィンテージだけあって、少しでも力を入れるとビリビリ破れてしまいます。


しかし、その紙質や、インクの状態が、現在では再現出来ない優しい色合いで、とても美しいです。
又、デザインもある種、適当な感じで、デザインされているが為に、古さも感じないビジュアルになっていて、「ふつう」の力を感じる事が出来ます。
!-factoryに来られた際には、是非ご覧下さい。


下のポスターはアメリカの伝説的ボクサー「モハメド アリ」のポスターで、スポーツメーカーアディダスの広告ポスターです。
もちろん広告ですので¥0-と今度は一番安いポスターです。(笑)


このポスターは逆にちゃんとデザイナーが入り、デザインされていますが、モハメド アリの力強い写真に、「Impossible is Nothing(不可能なんてありえない)」という文字だけが入ったシンプルなデザインです。
こちらも「ふつう」の力があります。


ちなみにこの時の、アディダスのCMは


「不可能」とは、自らの力で、世界を切り拓くことを放棄した、臆病者の言葉だ。
「不可能」とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。
「不可能」とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
「不可能」とは、誰かに決めつけられることではない。
「不可能」とは、通過点だ。
「不可能」とは、可能性だ。
「不可能」なんて、ありえない。
IMPOSSIBLE IS NOTHING.


と続いていました。
気持ちが折れそうな時に、眺めていると勇気のもらえるポスターです。
気持ちを支えてくれるデザイン。素晴らしいと思います。


モノの良し悪しは価格でも、流行でも決めれない事だと思います。

2009年5月3日日曜日

!-style的デザイン名品vol.1




八幡の!-factoryの中には、僕やスタッフが、個人的に素晴らしいと思ったデザインの物が沢山置かれています。

!-factoryは、福祉の現場であり、生産の現場であり、デザインの現場でもあります。

やはり、いい物を作るには、いい環境を作るべきであると思います。

まずは一番上の写真はDESIGN HOUSE stockholm(デザインハウス・ストックホルム)の「BLOCK LAMP(ブロックランプ)」です。

まるで氷の中に電球が閉じ込められているかのような灯りです。

BLOCK LAMP(ブロックランプ)は、1996年に発表されると、たちまち数多くのデザイン賞を受賞し、デザインを愛する人々から高い評価を得ています。

デザイナーの「Harri Koskinen(ハッリ・コスキネン)」は、1970年生まれ。ヘルシンキの「アート&デザイン・インスティテュート」を卒業。1998年ミラノ・サローネ(国際家具展示会)で「ブロック・ランプ」を発表し、MOMAの永久コレクションに選定される。2000年に、フレンズ・オブ・インダストリー社を設立。北欧を代表する若手デザイナーの一人だそうです。
僕が初めてデザインを意識し、購入したプロダクトです。購入と同時に、障がいのある人の施設で作られる商品のデザインを考えようと思いました。
大袈裟に言うなら、「人生を変えたプロダクト」です。

下の写真は、1998年発売のCASE-REALデザイン、その名も「CONCENTS」

木の直方体にコンセントタップがついたシンプルなデザイン、なんて事ないと思ってしまいがちですが、「ありそうで無い物」の近年の代表作。残念ながら現在は製造中止だそうです。

デザイナーの二俣公一によるこだわりは、この角の処理。木工職人さんがひとつひとつ手作りで制作していたそうです。又、木口の接ぎが全て辺で行われています。底部分も継ぎ接ぎや塞いだ後が何もありません。

職人の仕事の素晴らしさと、デザイナーの発想の素晴らしさが融合されたプロダクトです。
この二つは発想力の素晴らしさと、難しい技術が融合された素晴らしいプロダクトだと思います。

!-style的永久保存品です(笑)

今後も!-factoryのデザイン名品を定期的にご紹介致します。