2009年11月13日金曜日

塗り替えるのは僕らの世代。

今月の12日に、日本中が注目している、行政刷新会議の事業仕分けが、行われました。

障害福祉関連では、2つの議案にある決定がせれました。

共同通信発表の内容によると、

 【障害者保健福祉推進事業費(障害者自立支援調査研究プロジェクト)】
公益法人や特定非営利活動法人などが行う障害者支援のための調査研究事業に助成する。厚労省の要求額は13億円。全国精神障害者社会復帰施設協会(全精社協)がこの事業で不正に補助金を受け取っていたとされる。仕分け人から不透明さを指摘する意見が出され、廃止となった。


 【障害者保健福祉推進事業費(工賃倍増5カ年計画支援事業費)】
授産施設などで働く障害者の経済的自立を目指し工賃の引き上げを図るため、職業指導員の研修や経営コンサルタントの派遣などを行う。予算の執行率は08年度で22・2%にとどまっており「効果的でない」などとして、予算の半減を求めた。

という事らしい。


もちろん数字や、不祥事を判断の基準にすればロジックは積み上がる話ですが、僕は、この2つの費用を使って、本当に福祉の為に活動されている方を知っているので、複雑です。


「障害者自立支援調査研究プロジェクト」に関しては、本当に社会にインパクトを与え、意味のある活動をしておられる方が沢山おられます。問題点は全て行政にあり、活動されている方にはありませんし、全精社協の不祥事にしても、行政との関係が無ければ起こらなかった事だと思います。


一部の人の甘い意識によって、制度自体が全て無くなる。

この研究に従事されている方はとても悔しい思いをされていると思います。


工賃倍増5カ年計画も一部では、適当にコンサルを派遣し、予算を使わなければいけないから使っているような自治体もありますが、長野県のように、しっかりと結果を残している自治体もあります。


!-styleでは2つの予算については、使っていないので、直接的な影響は無いのですが、全てを一緒にして、このような人の活動を止めてしまうのは、福祉全体の問題になり、間接的に、強いデメリットを受けてしまう事になります。


コンピューターソフトが仕分けしているのでは無く、人間が仕分けしているのですから、予算の数字だけで無く、実態を把握して欲しい。


そして無駄を作りだすのは行政であって、熱心な研究者では無い。


上手く言えませんが、少しでもこの事を分かって欲しいと思います。

2009年10月20日火曜日

make it !!



 昨日はチーフデザイナーの秋保と、グループ会社「株式会社J.F.S」の店舗「restaurant&garden chou-cho」へ。
 壁の塗り替えや、文字入れ等をしてきました。
 写真は、前日に作っておいたステンシルで、文字入れをしている所。
 思った以上の仕上がりに二人ではしゃいでいました。

 遊びをビジネスに変える人は大好きです。
 遊びでビジネスをする人は嫌いです。

 吉野&秋保の力作是非見に行ってみて下さい。

「株式会社J.F.S」

2009年10月11日日曜日

ソーシャルクリエーター。


 先日、たんぽぽの家主催の「福祉を変えるアート化セミナー」にて、プレゼンテーションと、パネルディスカッションをさせて頂きました。
 参加者の方は福祉系のお仕事をされている方が9割程度との事でした。

 よくよく考えると、最近の講演のほとんどが、「社会起業家」関連でしたので、私が福祉関連の場でお話させて頂くのが、日本財団主催の「障害者就労施設支援ネットワーク会議」を入れて2回目でした。

 福祉とビジネスの関係、ここ数年つねに議論になっている事で、人によっては対局にあるような事と思われている事かもしれません。

 私たちは、事業を開始して、始めに認めて頂けたのが、企業の方々で、福祉の業界の中では、今でもそうですが、なかなか認めて頂けていない部分がありますので、私の中には、企業が冷たくて、福祉があったかいというイメージはありません。むしろ逆のイメージを持っています。
 福祉サイドから、ビジネスを見た時に、「企業はお金になる事しかしない」とよく言われますが、私は「企業はお金にならない事を、お金に変える」所だと思います。

 京都のカスタネットというオフィス関連の総合通販を行っている会社の社長の植木力さんの著書の帯に「小さな会社にもミッションがある」と書かれていました。

 正にその通りだと思います。

 多くの企業は、お金の事だけを考えているのでは無く、むしろそのミッションを達成する為にお金が必要だと考えているのだと思います。売上が下がるという事は、最低限雇用を保障出来なくなる事にも繋がるのです。

 福祉の業界はそろそろ私たちは「サービス業」を行う、「サービスマン」だという認識を持つ必要があるのではないでしょうか。そしてミッションの達成の為に、様々な角度から売上の向上を目指すべきだと思います。

 アート化セミナーでご一緒させて頂いた「ラ・バルカグループ」の代表の夏目さんが「売上とはどれだけのお客様に喜んで頂けたかの結果です」とおっしゃっていました。

 福祉施設には、2つのお客様がいます。1つは「施設で作った商品をお買い上げ頂くお客様」もう1つは「障がいがあり、施設を利用されているお客様」

 この2つのお客様に喜んで頂いてこその福祉だと私は考えています。そして、この2つはサービスの質を上げる事により、1つになるのだと。

 「今後の福祉業界に求められる人材は?」という質問に夏目さんは「単に施設の職員としてでは無く、社会を創っていくクリエーター」と答えておられました。

 いい言葉なので早速使わせて頂いています(笑)

 私たち福祉を仕事としている人間は「ソーシャルクリエーター」を目指すべきではないでしょうか。
 僕は目指します。

2009年9月21日月曜日

破れたジーンズ。

写真は僕が履いているジーパンです。
破れた所を自分で裏当てをして、ミシンで叩いて直して履いています。
でも直すと他にテンションが掛って又破れての繰り返し。追いつかなくて一か所は今は破れたまま。
それでももう8年は履いてる愛着のある1本。
僕は毎年春に1本ジーパンを買い、ほとんどをジーパンで過ごします。

「破れたジーパン」は社会人として、自覚が無い人の服装の代名詞のように言われています。
僕ももちろん服装はその場に応じて合わせる事が礼儀だと思っていますので、人前に出る時はシャツ+ジャケットを着用します。
でも、パンツはジーパンかチノパンです。

それは、スーツであれば全てOKという考え方があまり好きでは無いからです。
こう言うと、スーツが嫌いなの?と思われますが、むしろ好きです。着ませんが(笑)

スーツが誕生してから150年近くほとんど大きなシルエットの変化が無いのに、襟の太さや、ボタンの位置、サイジング等で時代を表現するストイックさと、大人の渋さは大好きです。
ですので、スーツ自体が嫌いなのでは無く、何度も言いますが「スーツを着ていればOK」という考え方が嫌いなのです。なんか「これでもくらえ!」と言っている気がするのです。

以前研修へ行った時、講師をされていた大学の先生が、自分の職場の大学に「破れたジーパン」を履いて来た人の話をしました。
「こんな世間知らずではいけませんよ」とおっしゃりたいのだと思います。
そして続けて「人は見た目や肩書で判断します。例えば僕が急に近所通ったからと言って障がい者施設に見学させて下さいと言っても、何ですがお引き取り下さいとなりますが、~大学で障害福祉を研究している教授だと言えば、どうぞどうぞとなるでしょう」と。

なりません(笑)
僕ならその大学に対して抗議します。
その感覚は「破れたジーパン」を職場に履いて来た人と何の違いがあるのでしょうか。

僕なら事前に申し込みをして「破れたジーパン」で当日来る、教授でも何でも無い人の方がよっぽど好感が持てます。

失礼の基準。
世の中は難しいですね。

2009年8月29日土曜日

バイアスがかかっていないか。

 バイアスという言葉があります。

 「偏り」というような意味で、「確証バイアス」の事を指していると理解しています。

 確証バイアス(かくしょうバイアス)とは社会心理学における用語で、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという現象である。 例えばグループに一人だけAという女性がいた場合(他は全員男性)、Aが様々な行動を示していたにもかかわらず、自分(男性)が持つ女性への固定観念に合致する行動だけを特別に認識して、「やはり女性は○○である」という結論を導くといった行為を指す。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ラ・バルカグループの夏目さんのブログ(http://blog.livedoor.jp/labarca3120/)に、メディアは結論を決めて取材をするという内容の事が書いてあった。
 内容は自立支援法について、選挙前のタイミングではよくこの手の取材はありますし、私も以前に受けた事があります。
 新聞社にもよると思いますが、夏目さんが書いていたように、「【自立支援法】=【受益者負担】【1割負担】=そこが問題点!」という記事にしたが為の言葉しか拾ってくれず、言いたい事はほとんど伝わらないというか聞いてもらえません。
 私たちは、特に支持政党を持たない組織ですので、どこかや、誰かを擁護するつもりはありませんが、自立支援法があったから!-factoryは生まれました。
 自立支援法が出来る前は社会福祉法人格を持つ法人でしか、認可事業は行えませんでした。又、社会福祉法人格は一定の資産基準があり、ハードルの高い法人格です。
 しかし、自立支援法以降は、法人格を問わず、認可事業が出来るようになりました。
 結果、30歳前後の若い理事長、施設長、代表の組織の認可事業所が全国で生まれ、自由な発想で福祉の前進を担っている施設が出来てきました。
 確かに自立支援法は悪い部分もありますが、良い部分もあります。
 ですので一点に絞って議論の出来るものでは無いと思います。
 そして僕もバイアスがかかっていないか。
 今一度見つめ直したいと思います。
 そして夏目さんと再会できる時が訪れました。
 10月の3日、4日に財団法人たんぽぽの家が主催する「福祉を変えるアート化セミナー」に実践報告として、一緒の壇上に立たせて頂きます。
 嬉しいなぁ。
 タリーズの話も聞きたいし、色々聞きたい。
 楽しみです。
福祉をかえる「アート化」セミナー2009 10/3-4
~プロダクトアウトからマーケットインへ~

2009年8月11日火曜日

社会起業??


 先日「社会起業支援サミット京都2009」にて、!-styleの事業のプレゼンテーションをさせて頂きました。
 最近は月1回程のペースで、プレゼンテーションのお声掛けを頂き、させて頂いております。多くの方に!-styleを知って頂く機会になり、様々なご意見を頂けるので、とても嬉しい事です。

 ただ私たちは、その場のテーマについてお話をさせて頂いているのでは無く、常に、!-styleが何をしていて、何を目指しているのかというお話で、今回の社会起業についてだったり、障がい者支援だったりとイベントのテーマについて私たちからお話をするという事はありません。

 最近お声掛け頂くテーマが「社会起業」というのが多くなってきましたが、正直な所、社会起業についてはよく分かっていません(笑)

Wikipediaによると
「社会起業家(しゃかいきぎょうか)は、社会変革(英:Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。」
 という事らしいのですが、私たちがしている事業がそれに当てはまるかどうか。そして、そのジャンルに入れられる事に私自身が少々違和感があり、疲れていた時でした。ですので、「社会起業支援サミット京都2009」のオファーを頂いた時も、半分ぐらいお断りするつもりで実行委員の学生の方とお会いしたのです。

 打ち合わせの時「僕は正直社会起業というものが分からないし、そう呼ばれる事に違和感を感じ始めているんです」と言うと、学生の方のお1人が「実は僕も数か月前まで、社会起業なんて言葉を知らなかった、ただボランティアをする学生はすごく多いんです。ただ就職となると4年間してきたボランティアと全然違う仕事を選ぶ、今までボランティアとしてしか出来なかった事が、ビジネスになる可能性を伝えたいんです」

 今まで社会起業について話をしてきた中で、一番衝撃的で、なるほどと思えた言葉でした。

 彼が言った事が社会起業の概念に当てはまるかどうか分からないけど、彼の言葉にはすごく共感出来、少し救われた気分にもなりました。彼の言葉でこれからも、イベントのテーマが社会起業であっても、とにかく私たちがしている事業についてのプレゼンテーションをしようと思えました。

 本当にありがとう。

 最近の若い人って本当に色々な事を考え、誰かの為になりたい、誰かに喜んで欲しいと思っている。

 僕が20歳ぐらいの時を振り返ると、自分が楽しい事しか興味がありませんでした。彼らをみていると本当に反省です。

 具体的に何かが分かって無くても「社会起業家」になりたいと思う気持ちは僕は良いと思います。

 社会起業家についての概念はまだ日本では定着がしきって無くて「それは社会起業家では無い」「日本の理解は間違っている」「日本においてはこの考え方の方がフィットしている」と様々な論議が行われており、「社会起業家とはなろうと思うもでは無く、結果そう呼ばれるものだ」という考え方が主流なようですが、だからといって、「社会起業家になりたい」と思う気持ちは否定されるものでは無いと思います。

 「社会起業家」になりたいと思いながら就職をし、色々な事をし、その中で自分が問題だと思う事を発見し、ビジネスとちゃんとリンクさせながら問題解決をすべく起業する。

  まず自分が社会の中で食べれるだけの技と芸を身に付けていれば、そんな若い人が増える事は決して悪い事では無いと思うのです。

 社会起業については全くの素人ですが、社会起業家になりたいという若い人は応援したい気持ちになります。
 自分より若い人で凄いなぁと思える人に出会える事って幸運だと思います。何をするのか見ているだけでもいいと思いますし、協力を要請されれば、惜しみなく協力すれば良いと思います。きっと新しい事、自分が忘れていた事、そんな事に気づかせてくれるはずです。

 若さを青さで片付けると致命傷となるのは僕らオッサンです。

 日本はまだまだ捨てたもんじゃありません。

 社会起業支援サミット京都2009の実行委員の皆様本当にお疲れ様でした。そしてありがとう。

2009年7月13日月曜日

近畿ソーシャルビジネスフォーラム2009


 さてさて、元来のサボリ癖が顔を覗かせ、気が付けば1か月も放置のブログになってしましました。

 最近「ブログ読んでますよ」という声を頂く事が多いのに、本当に申し訳ございません。

 この1か月何をしていたのかは、後日書くとして、先日の、近畿ソーシャルビジネスフォーラム2009というイベントの話を今日は少し。
 日本理化学工業株式会社 会長 大山泰弘氏とパネルディスカッションをさせて頂きました。日本理化学工業株式会社は、チョークをはじめとする文房具・事務用品を行う企業で、障がいのある方の雇用に力を入れているなんて、レベルでは無く、現在、川崎工場では従業員47名中、重度知的障害者22名・軽度知的障害者10名、美唄工場では従業員28名中重度知的障害者13名・軽度知的障害者9名を雇用という、とんでも無いと言っても過言では無い程の雇用をされている会社です。

 大山会長は、そういった事を事も無げに話をされる凄い人でした。

 パネルディスカッションの前に、「吉野さん、海外では障がいのある人は、雇用の対象では無いのですよ」と言われ「どういう意味ですか?」と尋ねると、「障がいのある人に支払う賃金の内の最低賃金は国が企業に支払うんです、日本も福祉にかけているお金を、こうゆうふうに企業に投入すればいいと思いませんか?」と言われ、正直ドキッとしました。

 なぜなら、僕もこの仕事をしながらも、福祉にかかるお金を本人にそのまま渡せば、生活の保障ができるんじゃないのか?という疑問を時々抱いていました。大山会長のお話は、僕のまだまだ漠然とした気持ちの数段上の提案でした。

 ただ、現状、そうなった所で、多くの企業が、来ている事にして、お金を障がいのある人へ払い、実際には働かせてもらえない事が、想像出来てしまうと思います。

 それだけ障がいのある人がどんな仕事が出来るのか分からないと言った人が多いのが現状で、難しい事だとも思います。

 ただ、大山会長のようなお考えを持った方が増えるとそれも実現出来ると思いますし、そうする為にも私たちは、障がいのある方の仕事力を広く世の中に提示していきたいと思っています。

 その結果私たちの仕事が世の中から必要無くなる日が来る事が私たちの目指す所だと思います。

 福祉という概念すら必要無くなり、私たちが失業する日。
 それが私たち福祉人の最大の喜びではないでしょうか。

 帰り際大山会長がニコッとされ、「吉野さん、文通しましょう」と言われました。
 一日休みを取って、緑がいっぱいのカフェで、大山会長に手紙を書く事にします。
 いっぱい書きたい事があります。


 「大山さん、文通しましょう」

2009年6月13日土曜日

愛知出張vol.2




長く間が空いてしまいましたが、愛知出張2件目は、「特定非営利活動法人 楽笑」様にお邪魔し、酒菜屋十兵衛(三河湾産の干物屋)と、パン工房「八兵衛」を見学させて頂きながら、理事長の小田さんにお話をお伺いしました。

とにかく素晴らしいストーリーの元に展開されていて、自分の生まれ育った町で、障がいのある人の為の施設を作るという思いからスタートし、始めにパン工房&駄菓子屋「八兵衛」をオープンされました。

なぜパン工房&駄菓子屋?というところですが、パンを焼ける方が地元にいるけど、パン屋さんが無い、子供が自分で買い物を出来る所が無いという、ビジネス的にも、コミュニティ的にも素晴らしい理由で。
美しいですね。ちなみにパン工房「八兵衛」の「ちくわパン」はびっくりする程、以外(?)な美味しさでした。
酒菜屋十兵衛(三河湾産の干物屋)は2号店になるとの事ですが、漁港のすぐ近くの町での、地場産業を盛り上げようとのでスタートされたそうです。

こちらの干物もとても美味しく、出来ればどこかで使いたいなぁと思考中です。

障がいのある人と、自分の生まれ育った町の活性化を軸に事業を展開されている。

とても感動した美しいストーリーでしたが、その裏には、想像も及ばない様な、苦労も、悲しい出来事もあったはずですが、小田さんは笑い話を話すかのように、ニコニコと。

今回見学させて頂いて思った事は、こんなに強くて、こんなに面白い同世代が、同じ業界にいる嬉しさです。

本当にありがとうございました。
僕も負けないようにがんばります。
楽しくしてしまいましょう。

2009年5月24日日曜日

愛知出張vol.1




先日愛知へ出張へ行きました。

!-styleが今年度日本財団様より助成を頂いた「施設間連携・企業連携による障害者就労支援活動の活性化プロジェクトの実施」を進める為、先駆的な取り組みをしておられる施設の見学と、お話をお伺いさせて頂きました。
1件目は「社会福祉法人豊生ら・ばるか」様

お忙しい中、代表の夏目さん、株式会社ライフリベット代表取締役の山本さんにお時間を頂き、各事業所を案内して頂きました。

とにかく1つ1つの仕事が、内容も、取組方も丁寧で、その業種の当たり前のクオリティーを、当たり前にクリアされていて、プロの職場としての空気が流れていました。

夏目さんに、初めてお会いしたのは、先月に行われた日本財団主催の「障害者就労施設支援ネットワーク会議」で、プレゼンテーションを行われた時です。

プレゼンテーションの中で、信州大学病院内に、「タリーズ信大病院店」をオープンするとお話をされていたのが、とても強烈に印象に残っていました。タリーズコーヒーはシアトル系コーヒー店と呼ばれるグループに入ると思いますが、僕の中では大きく異なるお店で、ターゲット層、コーヒーの味、メニュー展開、どれをとっても数段上のクラスで事業展開をされていて、単にコーヒー店では無く、イタリアンバールのようなお店です。

会長は最近の著書「仕事は5年でやめなさい」で有名な松田 公太さんです。

きっと夏目さんは、単にチェーン展開のシアトル系コーヒー店とゆう事では無く、思い入れがあって、タリーズコーヒーをオープンされるのだろうと思い、とても興味が湧きました。

見学させて頂いた日、昼食をご馳走になりながら、夏目さんに、タリーズへの思い、障がいのある人の仕事についての思い、これからの事業への思いをお伺いできました。

やはりどれも一つ一つに強い思いを持っておられ、とても感動しました。

きっと夏目さんは、クールなビジネスマンに見られてしまう事が多いのでしょうが、私の印象は、とても真っ直ぐで、純粋で、作り上げる事が出来る人。ビジネスの側面は本当に夏目さんの1面でしか無いと思いました。
夏目さんのように「0」から「1」を作り上げれる人は本当に少ないです。作り上げた「1」に文句を言う人、「1」を勝手に持って行って「1.5」ぐらいに見せかけて威張っている人はたくさんいますが......。

こんな人が福祉の業界に居てくれるという事は本当に大きな勇気になります。
私の仕事についても大きく考えさせて頂ける時間でした。
夏目さん、山本さん、ら・ばるかの皆さん本当にありがとうございました。

一緒に作り上げましょう。

2009年5月18日月曜日

「伝える」という事。


先日、京都大学公共政策大学院の「ケーススタディ NPOの理念と活動分析」という講義にて、!-styleの取り組みをお話させて頂きました。

今年に入ってから、講演等のお話や、!-factoryのご見学の申し込みを多く頂いております。

どの講演や、見学でも話をする内容は、「!-styleが何を目指して、何をしているのか」という1点ですが、元々人に話をして伝えるという事が苦手な私は、毎回難しいなぁと反省しながら帰ります。

聞き手というのは様々な、状況の方で、福祉を少しでも知っている人から、障害者自立支援法って何?と思われている方までおられます。

その中で、私たちに対して、少しでも興味を持って頂きたいと思えば、私の伝え方をもっと上手くしなければいけないと思います。

私個人の事であれば、多少どう思われてもいいのですが(笑)!-styleの代表として話をするという事は、!-factoryに来ている障がいのあるクルーや、スタッフの“代わり”に話をしている事ですので、責任は大きいです。

来月にも京都でお話をさせて頂く機会があります。

つたない話ですが、!-styleを皆様にクルーやスタッフの代わりにお伝えしたいと思っております。
お時間を頂けると幸いです。

近畿ソーシャルビジネス・ネットワーキングにて
「日本理化学工業株式会社 会長 大山 泰弘 氏と!-style 統括マネージャー吉野 智和との対談」
2009年6月27日(土)13:30~17:00(開場は13:00)
京都リサーチパーク サイエンスホール
参加費 無 料
申込先:特定非営利活動法人 大阪NPOセンター
〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20 大阪NPOプラザ 201号
TEL 06-6460-0268 FAX 06-6460-0269
E-mail info@osakanpo-center.com

2009年5月13日水曜日

呼び名。

!-styleでは、様々な呼び名に、いちいちこだわり、考えています。

よく、色々な人に聞かれるのが、!-factoryで働く、障がいのある利用者に対して、crew(クルー)と呼ぶ事です。
これは、船のクルー(乗組員)のように、それぞれのクルーが、それぞれの得意な部分を担当し、!-factoryという一隻の船を動かしていると考えからです。それぞれに違う事をしていても、全ての人が必要です。

又、!-factoryでこだわっているのが、team(チーム)という呼び方。
簡単に言うと!-factoryの中の部署ですが、一般的に障がいのある人が働く作業所では、作業班や、~グループと呼ばれています。

では何故、私たちはteam(チーム)と呼ぶのかという事ですが、単に集団では無いという意思表示です。

目的を達成するための、team(チーム)であり、それぞれの役割、ポジションがあり、協力をし、時には意見をぶつけるのが、team(チーム)でああると考えています。

「たかだか」かもしれませんし、「いちいち」だと思いますが、呼び名の一つからこだわる事で、その場にいる人の意識は変わると思っています。

「いい組織」とは、「いい人」がいる組織だと考えています。
ですので、人の意識が変わるという事はとても大きな事で、極端な話、それ以外は必要無いのかもしれません。

2009年5月5日火曜日

!-style的デザイン名品vol.2




前回、ご紹介したのは、プロダクトでしたので、今回はグラフィックをご紹介します。


!-factoryには、ポスター等のグラフィックが沢山ありますが、一番上の、映画「ロッカーズ」のポスターが一番高価です。


ロッカーズ(Rockers)は、1978年のジャマイカの映画で、リロイ・ホースマウス・ウォレス、バーニング・スピア、グレゴリー・アイザックス、ビッグ・ユース、ジェイコブ・ミラーなど、何人もの有名なレゲエアーティストが出演していました。


このポスターは公開当時のポスターで、駅等に張られていた特大サイズのものらしいですが、ロッカーズのポスターで、このデザインのものは見た事が無いので、それが事実かどうかもわかりません。
額装していない状態では、さすがにヴィンテージだけあって、少しでも力を入れるとビリビリ破れてしまいます。


しかし、その紙質や、インクの状態が、現在では再現出来ない優しい色合いで、とても美しいです。
又、デザインもある種、適当な感じで、デザインされているが為に、古さも感じないビジュアルになっていて、「ふつう」の力を感じる事が出来ます。
!-factoryに来られた際には、是非ご覧下さい。


下のポスターはアメリカの伝説的ボクサー「モハメド アリ」のポスターで、スポーツメーカーアディダスの広告ポスターです。
もちろん広告ですので¥0-と今度は一番安いポスターです。(笑)


このポスターは逆にちゃんとデザイナーが入り、デザインされていますが、モハメド アリの力強い写真に、「Impossible is Nothing(不可能なんてありえない)」という文字だけが入ったシンプルなデザインです。
こちらも「ふつう」の力があります。


ちなみにこの時の、アディダスのCMは


「不可能」とは、自らの力で、世界を切り拓くことを放棄した、臆病者の言葉だ。
「不可能」とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。
「不可能」とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
「不可能」とは、誰かに決めつけられることではない。
「不可能」とは、通過点だ。
「不可能」とは、可能性だ。
「不可能」なんて、ありえない。
IMPOSSIBLE IS NOTHING.


と続いていました。
気持ちが折れそうな時に、眺めていると勇気のもらえるポスターです。
気持ちを支えてくれるデザイン。素晴らしいと思います。


モノの良し悪しは価格でも、流行でも決めれない事だと思います。

2009年5月3日日曜日

!-style的デザイン名品vol.1




八幡の!-factoryの中には、僕やスタッフが、個人的に素晴らしいと思ったデザインの物が沢山置かれています。

!-factoryは、福祉の現場であり、生産の現場であり、デザインの現場でもあります。

やはり、いい物を作るには、いい環境を作るべきであると思います。

まずは一番上の写真はDESIGN HOUSE stockholm(デザインハウス・ストックホルム)の「BLOCK LAMP(ブロックランプ)」です。

まるで氷の中に電球が閉じ込められているかのような灯りです。

BLOCK LAMP(ブロックランプ)は、1996年に発表されると、たちまち数多くのデザイン賞を受賞し、デザインを愛する人々から高い評価を得ています。

デザイナーの「Harri Koskinen(ハッリ・コスキネン)」は、1970年生まれ。ヘルシンキの「アート&デザイン・インスティテュート」を卒業。1998年ミラノ・サローネ(国際家具展示会)で「ブロック・ランプ」を発表し、MOMAの永久コレクションに選定される。2000年に、フレンズ・オブ・インダストリー社を設立。北欧を代表する若手デザイナーの一人だそうです。
僕が初めてデザインを意識し、購入したプロダクトです。購入と同時に、障がいのある人の施設で作られる商品のデザインを考えようと思いました。
大袈裟に言うなら、「人生を変えたプロダクト」です。

下の写真は、1998年発売のCASE-REALデザイン、その名も「CONCENTS」

木の直方体にコンセントタップがついたシンプルなデザイン、なんて事ないと思ってしまいがちですが、「ありそうで無い物」の近年の代表作。残念ながら現在は製造中止だそうです。

デザイナーの二俣公一によるこだわりは、この角の処理。木工職人さんがひとつひとつ手作りで制作していたそうです。又、木口の接ぎが全て辺で行われています。底部分も継ぎ接ぎや塞いだ後が何もありません。

職人の仕事の素晴らしさと、デザイナーの発想の素晴らしさが融合されたプロダクトです。
この二つは発想力の素晴らしさと、難しい技術が融合された素晴らしいプロダクトだと思います。

!-style的永久保存品です(笑)

今後も!-factoryのデザイン名品を定期的にご紹介致します。

2009年4月28日火曜日

お手紙。

先日、!-factoryに名古屋の施設職員の方が、見学に来られました。
若い職員の方で、今後の施設でのモノづくりに対して、真剣に向き合う姿勢はとても感動出来ました。

後日、その施設の施設長様よりお手紙を頂きました。

直筆の丁寧な文字で「帰って来てから、職員会議で、見学した事を熱く話していました。今後の施設の商品製作に良い影響となると思います。ありがとうございます」と。

失礼な言い方かもしれませんが、何か、子の心配をする親からの手紙みたいで、なんかいいなぁと思いました。

メールでは無く、直筆の手紙で。
大切な事を思い出させて頂きました。
こちらこそ、ありがとうございます。

2009年4月27日月曜日

同じ釜の飯。

!-factoryでは、昼食時、クルー全員が集まるまで「いただきます!」になりません。

今の福祉サービスの中で考えれば「それぞれのペースで、それぞれの食べたい時に昼食が食べれるように」と言われていますので、時代に反しているかもしれません。

もちろん後で食べたい時はスタッフに伝え、後で食べる事も出来ますが、フライングは無しです。

特に誰かがルールと決めた事では無いのですが、クルーとスタッフはみんなで揃っての「いただきます」を毎日しています。

「同じ釜の飯を食べる」ってこんな感じの事なんだろうなぁと、思って見ています。

「生きる事は食べる事」
大切にしたい時間です。

2009年4月26日日曜日

ニコニコ。



事務所へ行く時はいつも自転車で行きます。

その日によって違うルートで、街の変化を見ながら出勤する時間がとても好きです。

今日は取引先の「Duce mix shop」様が入っているテナント「Duce mix ビルヂング」の前を通りました。

以前、このテナントビルの1Fには「京都デザインハウス」というテナントが入っていたのですが、移転されて、テナントが空いていました。

しかし今日見ると新しい看板が.

1Fにはアパレルの「TOMMY」が入るんだぁと思いつつ上に目をやると、「Duce mix shop」様の看板に!-styleの「messenger weight」が!!

看板に載るという事は看板商品でしょうか?(笑)と勝手にポジティブに解釈をして、ニコニコでの出勤となりました。

「Duce mix shop」様ありがとうございます!!


「Duce mix shop」
京都市中京区三条通り高倉東入る桝屋町53-1(京都文化博物館横) Duce mix ビルヂング 4F定休日(月)tel:075-2119076

2009年4月24日金曜日

philosophy


!-factoryのホームページには、!-styleのphilosophy ~フィロソフィー~ を掲載しています。philosophyとは、「企業哲学」「行動信念」といった意味でしょうか。

障がいのある人に対する支援の中で頻繁に使われる言葉「自立」

「自立」とはいったい何か?障がいの無いあなたは「自立」しているのか?

「自立」という言葉でイメージされる生活、生活保護以上のお給料を貰い、自分でご飯を作り、自分で洗濯し、日々暮らすイメージ。確かに悪く無いと思います。

では逆にそれが出来ない人は「自立」出来てないのでしょうか。

そうでは無く、自分がどう人生を歩みたいのかを考え、それを実行する為に我々支援者と呼ばれるスタッフがいればいいと思います。

自分の人生を決める事。

それは特別な事では無く、どんなご飯を食べたいか、どんな髪型にしたいか、どんな服を着たいか、どんな仕事をしたいか、どんな恋愛をしたいか。

なにが幸せと感じるのかを考え伝える事。

それが「自立」ではないでしょうか。

どこに自分の服が入っているかさえ知らないお父さんも、会社帰りの飲み屋さんは決めるでしょ。
「自立」しています(笑)

2009年4月22日水曜日

障害者就労施設支援ネットワーク会議



先日、いつもお世話になっている日本財団様主催の「障害者就労施設支援ネットワーク会議」に参加し、プレゼンテーションをさせて頂きました。
全国から集まられた関係者の方のプレゼンテーションももちろん聞かせて頂いたのですが、こんなに面白い活動を全国各地で行われている事に大きな勇気をもらいました。

今後も出会った様々な方と連携し、「ふつうの幸せ」を追求したいと、強く感じました。

今年はタイミングを逃し、満開の!-factoryの桜は見れませんでしたが、東京で、ホテルの近くの桜を見ました。相変わらず東京はすごいですね。桜にピンクの照明を当てるなんて(笑)よく思いつきますね。良いか悪いかは別にして、こういった思い切ったやり方は勉強になります。

刺激を沢山頂いた東京出張でした。